作品art132「おかあさんのおなかの中にいた時」

kodomono2016-08-20

いつもお祖母さまのお宅へ来て、
絵を描いて遊んでいるという、tamakiちゃん。
2歳の女の子です。
今回は、そのお祖母さまから孫にあたるtamakiちゃんへ、
お誕生日プレゼントとして、というご注文です。

原画はのメインは、最近気に入っているという、絵の具で描いた、
「おかあさんのおなかの中にいた時」の絵。
それから、その数ヶ月前に、主にクレヨンで描いたという家族。
さらに、何かに使えるのでは、と、スクリブル(グルグル)の絵も送ってくださいました。


(ごめんなさい、誤って原画の画像データを消してしまいました…
 絵はほとんどがバラバラで、小さいものは切り抜かれていましたよ)

「おかあさんのおなかの中にいた時」の絵は、
「何気なく描いたものが、以前に絵本で見た
お腹の中のあかちゃんと重なったのではないか」ということですが…
2歳でよくぞここまで描いているなあと感心します。

絵の具で描かれた水彩画は、ほぼ白色も使われていて、
取り込むのがちょっと難しかったのですが、
あれこれ考えて、下の3パターンをご提案させていただきました。


左:「お母さんのおなかの中」を見守る家族、というイメージで。
なるべく原画の色合いにというご希望でしたので、同じような色合いに。

中:お家がエスニック風という情報もいただきましたので、コントラストの強い案。
背景色が強い分、他のものはなるべく色数を抑え、配置。

右:水彩絵の具の雰囲気を失わないよう、加工せず配置。
おなかの中ということと、夏生まれということで、背景を水色にし、海や水の中をイメージ。
ぐるぐる模様を気泡や水草、みんなが水中をたゆたう感じ。

「どれもよくて迷ってしまう」というありがたいお言葉通り、かなり悩まれて、
お嬢さまにもご相談されて…
結果、左の案をお選びいただきました。
そして、細かい修正を加えて出来上がったのがこちら。

スクリブルを泡のように配置しています。

額とマットもあれこれと悩まれましたが、
「シンプルが良い」というお嬢さまのご意見と、
「孫のまだ無垢な子どもの感じは私にとってはやはり白。
描いた絵には白が一番合う気がしました。」とのことで、
白の額に白マットとなりました。


ホワイトアンドホワイト、とてもおしゃれな感じです。

お送りした作品は、すぐに、tamakiちゃんの元へ届けられ、
お嬢さまに喜んでいただけたそうです。
tamakiちゃんは「?」という表情だったそうですが、
そこはまだまだ3歳になりたて…。

2歳児に絵の具で描かせてあげていること、
たくさんの絵をたいせつに保存しているということ、
それをまた、「今だからこそ描ける絵では」と、額装を考えてくださったこと、
ご注文からも、ひとつひとつを丁寧に悩まれて決めてくださったこと…
そのすべてに、お祖母さまからtamakiちゃんへの深い愛情を感じます。

これからtamakiちゃんは、この絵の成り立ちを時折聞いて育つでしょう。
お祖母さまの温かい愛情に包まれた、
幼い日の幸せな記憶がこの絵とともに刻まれていくのかもしれません。
そのことを想像すると、私も温かい気持ちでいっぱいになります。

これまで、お孫さんやお子さんから、
祖父母さまへのプレゼントのご注文は時々あったのですが、
逆は初めてでした。
こんなにステキな贈り物のお手伝いをさせていただけて、
光栄に思います。
ほんとうにありがとうございました!


 * * * * * 

8月23日追記

作品を飾った様子のお写真をいただきました。
癒しを感じるステキなインテリアに囲まれた作品。
主張しすぎず、当世風のナチュラルなお部屋にも合うような作品を提供したい、というのは
「こどもの絵デザイン舎」をはじめる原動力でもありました。
こうして理想的な形で飾っていただけ、たいへん光栄です。
あらためてありがとうございました。