作品art129「うしろを見ている犬」

今回の原画は紙版画。

じゅうぶん完成している作品ですので、こういう場合、
再構成などは一切なしで、データを取り込んだら
シワや汚れをきれいにし、英文字を足すくらい。

また、学校などでつくる作品は四つ切り画用紙など、
大きい場合が多いですよね。
ご家庭で飾るにはちょっと場所をとりますし、
ほとんどの場合、ちょっと小さくリサイズします。
今回は、四つ切り(424×348mm)から
太子サイズくらい(378×288mm)にしました。

額装は、マットは文字色に合わせてパープル系に、
北の住まい設計社のフレームLサイズを使いました。

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実はこの作品、わが子が授業で作ったもの。
思い出深いエピソードがあるのです。

絵に苦手意識がとても強い彼女。
(たぶん私があれこれ言いすぎたせいと反省しています…)
「好きな動物に乗っている自分」というテーマで、
描き出した下描きが、とても小さかったそう。
そこで先生が、大きく描いた方がいいよ、と
アドバイスをしたら、
「絵なんかきらい!」と大泣き…

それでも先生が辛抱強くなだめてくれ、
大きく描きなおすことができ、
そうして完成したのが、
画用紙からはみ出さんばかりのこの作品でした。

先生が、
振り返っているみたい!
と言ってくれたので
「うしろを見ている犬」
とタイトルが付けられ、
その後、児童画展に出していただき、
(苦手ですから、もちろん初めてです!)
なんと佳作までいただきました。

これはむしろ作画の下手さと、
刷る時に多少動く紙版画の性質と、
なにより先生のご指導と、
ネーミングの妙が生んだ、
まさに奇跡…!


この絵を見るたびに、
自分への反省と、子供への喜びと、
先生への感謝の気持ちでいっぱいになります。


我が家の壁に、
ときどき、心して眺めたい大切な作品が加わりました。