こどもの絵の発達・閉じた円
人間の目には3つの点や線が逆三角形型に配置された
モノを人の顔と認識する脳の働きがあり、
シュミラクラ現象(Simulacra)と言うそうです。
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どうですか?
考えてみるとすごい能力ですよね。
なぐり書き、スクリブルを続けていた子供は、
複数のスクリブルを描けるようになったり、
線を描けるようになったり、点を描けるようになったり…
そうして行くうちに閉じた円を描くようになります。
もちろん絵には個人差が大きいのですが、
2歳台〜と言われています。
閉じた円。
ここは大きなステップです。
ここになにがしかが加われば…
大きな赤丸はりんご、
右側の小さめのマルに点みたいなものが顔です。
上からパパ、自分、ママ。(3歳前半)
シュミラクラ現象にぜんぜん頼ってません。
受精卵とか、細胞…原始レベルのヒトの誕生ってかんじです。
初めは、偶然の産物にあとから「見立て」ることも多いかもしれません。
意図して書いたものを、説明してくれるかもしれません。
これは左右どちらも「サンタクロース」です。
こういうよ〜く見立てないと分け分からないものを描いたのは
振り返るとやはり一時期のことで、パターン化してしまう前の
ある意味前衛的で貴重な作品です。
私がいつも反省してしまうのは、こういう大切な時に
いらないアドバイスをしようとしてしまうことです。
大人が見て上手だと思う絵を描かせようとしてしまう。
話すならその話を聞いて、自由に楽しく描いていくことが
いちばんその後の発想力を潰さない方法だそうですよ。
(でも難しいんですよねー)